ダブルバインドとは、精神医学用語で、例えば、親が子に対して、二つの相反する指導をしてしまうことで、意外と親は無意識のうちにやってしまいそうな過ちである。ダブルバインドは、子供教育にとっては、深刻な問題になってしまう場合もあります。なにが、間違っているかというと、日頃の親子間のの「コミュニケーション」の少なさです。
ダブルバインド(Double bound)とは。
ダブルバインドの例をあげてみましょう。
例えば、父親が中学生の息子に、日頃から、「好きなことを見つけられたら、熱中してとことんやって見なさい。」と言っていたとします。
そして、息子が、最近文学が好きになり、「小説」ばかり読んでいたところ、今度は父親は「そんなに、いつも小説なんか読んでないで、数学や理科に興味を持ちなさい。文学部なんかにいったら、ろくな就職ができないぞ!」と言います。
息子にとっては、父親の言う事は、矛盾しています。
たしかに、大人が考えるところの父親はもっともなことを言っています。
しかし、まだ視野の狭い息子にとっては、正反対のことを言われて最初は「キョトン」とした反応をおこします。
やがてこのような、子供にとっては「一貫性」のない親の態度に「いやけ」がさしてきます。
子供教育でのダブルバインドの弊害。
子供教育でのダブルバインドの弊害はどんなところにでるでしょうか。
先ほどの例でも、お父さんは何ら間違っているとも思わないし、我が子の将来を考えたら、「当然のこと」を、しているわけです。
したがって、このようなことが、何度も繰りかえされます。
子供は、ダブルバインドの態度を親から見せられることで、「負」の感じを親に抱いていきます。
具体的には、考えが委縮したり、不信感を覚えたり、「大人の世界」と感じて毛嫌いしたり。
一貫性のなさをきらい、無気力になったり。いつしか親子の間で本来築かなければいけない信頼関係を失ってしまいます。
何がいけないのか。
親にしてみれば、「好きなことに熱中しろ」も愛情だし、「数学、物理」を勧めたのも将来の幸せを思っての愛情です。
だから恨まれる筋合いの事ではないと考えます。
けれども子供にしてみれば「大人のお決まりのうそ」の一つととらえてしまいます。
そんな親に不信感を募らせていく結果が生じます。
なにが、間違っているかというと、日頃の親子の「コミュニケーション」の少なさです。
子供にとっては、「好きなことをしろ」と「数学、物理を勉強しろ」の間に置かなければならない言葉がないのです。
お父さんは、ちょうど、責任のある職務についていて、忙しい頃だし、家では、テレビ、子供部屋完備で「分かり合えない親子」関係がすでに、芽生えているのです。
やがて、最後には、親が言う事を「偉そうに」と感情で感じてしまうようになったら、かなり「深み」にはまっています。
子供としっかり向き合うことが一番。
結局、日頃から、子供としっかり向き合う気ことが一番なのです。
どんなに、物を買い与えても、愛情は伝わりません。
例えば一週間のうちで何時間子供と目と目を合わせて向き合ったか。
いつもそのことを意識して、そのためなら、子供に合わせて会社の休みをとるとか、邪魔なテレビを撤去するとかするべきです。
ちなみに、私自身の場合、テレビの撤去はしませんでしたが、私が帰宅したとき、在宅中は一切テレビは禁止、ゲーム類は常時禁止でした。
本人たちいわく、さすがに「ゲーム禁止」は辛かったようです。
ですが、親の信念で貫きました。
いいたいのは、子供の教育はそれなりに親も、腹くくってやらないと結果がでません。
例えば、最悪なのが、父親が、仕事を終え、ビール飲んだり、晩酌をしながら野球を見ていて、子供に「勉強しろ」と叱る。
これおかしいです。お父さんの「昼間頑張って、家族を養っている」なんて大義名分は子供には通用しません。
だから、塾生の親にはいいます。ご両親も一緒にテレビ消して、本でも読んでくださいと。
何も、一生のことではないのです。
親自身が実践できてこそ、親の言葉だってなんぼになるでしょう。
この身を挺する態度こそ、ダブルバインドをなくし、子供との信頼関係を築けるコツだと考えます。
まとめ。
今回は「子供教育のダブルバインド(二重拘束)に注意!」というテーマでお送りしました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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