子育てでの過保護の代償。

子育てでの過保護の代償 教育
子育てでの過保護の代償

現役の塾の経営者が「教育」を語ります。今回は「過保護の代償」です。私のように、塾を経営していると、自ずと多くの子供に接します。として、入塾時は大抵は母親が子供を連れだって塾へきます。そこで直ぐわかるのが親としての立ち位置です。そこで感じるのが、家庭でもかなり過保護なのかな?という感じがかなり見受けられます。親自身は自分が過保護なんて少しも思っていないでしょう。社会全体で「ズレ」が生じていて私が「あまい」と感じても、社会一般の意識は「普通」です。

境界性人格障害(ボーダーライン)


過保護で育った人格は、多かれ少なかれ人格に問題がでます。

それは、親だけでなく、社会が背負っていかなければならない問題です。

その過保護の代償として、最近子供たちに多いのが、境界性人格障害(ボーダーライン)です。

以降略してボーダーラインといいます。

ボーダーラインの症状の特徴は、衝動的で気分が変わり易く、虚無感が強い。

突然怒り出し怒りをコントロール出来なくなり、攻撃的になるときと、ひどく落ち込んですぐ死を考えたりするときと2面性をもつ。最近青少年に増えている症状です。

このぼーボーダーラインの原因は、幼児期に親の過度の愛情を受けた「過保護型」と幼児期に親に虐待された「愛情飢餓型」があります。

例えばアメリカは圧倒的に「愛情飢餓型」が多く、日本のほとんどが「過保護型」です

ただ、過保護ではなくても、単にものを買い与えるだけの愛情だったり両親がいつも不仲で家庭が不安定だとボーダーライン的な性格が現れます。

やさしい社会だからこそ親の厳しさが求められる。

現代は、やさしい社会だからこそ親の厳しさが求められます。


子供たちのとって、家庭も社会も「やさしい」環境です。

さりとて、生きにくい世に中であることは否定しません。

今の子育ての傾向として「前向きな負荷」はあまり子供に与えません。

「前向きな負荷」とは例えば、家庭では必ず「手伝い」をさせることです。

「手伝い」の指示を与えるのは親です。従う義務があるのが「子供」です。

今の社会では、半ば「可愛そう」と思える人もいるかもしれませんが、この親子の命令系統における
上下関係は毅然とはっきりさせることで、親が子供を指導するという関係が子供にも意識できます。

つまり家庭教育のかなめが「手伝い」です。

これが、時々思いついたようにお母さんが「手伝いを」子供にお願いします。

子供はもう遊びに行くつもりだったとすると、返ってくる返事は「やだよ!」です。

お母さんはしょうがないと諦めます。これで、この親子関係は決定されます。

他の親の言う事もきかないでしょう。

そうしつけたんだから結果そうなります。

この場合、なにがあっても「手伝い」が優先されると教育しなければいけません。

それでも、子供に理由があるなら、親を説得させて「手伝いは猶予」の許可を求めさせます。

これが社会に出た時、ルールを守ることになります。つまり「手伝い」を家庭の中での義務とし、それをしっかり守らせます。これで、間違っても「友達親子」みたいな関係は防げます。

脳の「大人度」の発育を理解する。

読書は大人脳を養成し鍛える。
読書は大人脳を養成し鍛える。


今の子供は数十年前の子供に比べ5歳以上「大人度」が低いというデータがあります。

この「大人度」は脳の「前頭前野」の発育度で測られます。

「前頭前野」は、最も人間が人間らしく行動するための脳です。

この「前頭前野」は、先ほどの「手伝い」や「単純計算の繰り返し」やその他でも、多少つらさの伴う、作業や学習で働きます。

つまり「あまやかす」イコール大人になる発育を邪魔していることになります。

ちなみに、ゲームをしている間は、この「前頭前野」は、まったく働いていません。かたや絵や写真の少ない本を読むことは前頭前野を鍛えます。その場面を脳がイメージする作業をたえずしているからです。

さきほど境界性人格障害(ボーダーライン)について、述べましたが甘やかされた結果、ボーダーラインになると、対人関係が不安定になったり、怒りのコントロールができない、俗にいって「切れる」という障害になります。

最近「切れる」子供が多くなっているのは、一つには、このボーダーラインが起因するものです。

その他「食の問題」に起因するもの、その他複合的ですが、現代社会の大きな問題といえます。

愛情飢餓が原因となるボーダーライン。

日本の場合、両親が離婚して、結果で愛情飢餓状態になる場合もあります。

それ以外に親が好きなだけ物を買い与えてしまう、それだけでは、「あまやかし」ですが、肝心の実際の愛情を子供に示せていない場合もあります。

まともな、会話がない場合もそれです。子供は自分の部屋も持ち、一家団欒の食事の時でも、テレビがつけっぱなし、こんな感じの家庭も結構多いと思います。

親子が、テレビ、音楽などの外乱なしに、目と目を向き合って一日どれくらい会話が出来ているでしょうか。

是非、お子さんがいらっしゃるならテレビなど、さっさと消して、顔を向かい合わせていっぱい話してください。

愛情を伝える一番確かな方法です。ましてや、今の子は、友達同士でも電話ならいくらでも話せるのに、お互いの顔を見ながらだと上手く話せない若者も増えています。

コミュニケーションの基本は「相手の表情」をくみ取ることです。


先進国ほど「しつけ」の能力は低下傾向にある。

先進国ほど「しつけ」の能力は低下傾向にあります。


この傾向は、日本に限らず先進国程「しつけ」の能力が低下した社会になっているという事実があります。

このことは何を意味するかというと、一つは「学歴至上の考え、そして、「個室(子供部屋)完備」、おまけに、「手伝い」を子供にさせなくても今は生活が立ち行きます。

教育という立場でみると、ネガティブな要素が多く浮かんできます。

ですが、昔と比べ社会が豊かになっても、子供の教育をしっかり意識すれば、今の日本でも、教育を取り戻すことは可能なはずです。

肝心なのは意識です。

まとめ

今回は「子育てでの過保護の代償。」というテーマでお送りしました。

今の社会は豊かで便利になった分だけ子供に手伝いなど「前向きの負荷」かかからないことが子育てでの過保護の代償として問題化しているという内容でした。

その結果として、国が進める子供の生きる力の養成にも限界が表出してきているのではないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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